「指きりげんまん 嘘ついたらハリセンボンのーます 指切った♪」 桃の指が離れると、萌は太郎の方を見てこう言った。 「桃の結婚式には、私が着たドレスを着せてあげてね 洋服ダンスの奥にしまっているから……」 太郎は、コクリと頷いた。 「瓜に桃! きちんと、お父さんの言う事聞くのよ!」 瓜と桃は涙声で返事をした。 そして、萌は、この時…… 初めて子供の前で涙を流した。 まだ幼い瓜と桃はどこまで事情を理解できているかはわからない。 だけど、二人とも母親の話を真剣に聞いていた。