「何も言わなくていい 解かっているから……」 そう何度も言った。 「お前の気持ちなんて、なんでもわかってる 男手一つで、一体、何年育ててきたと思ってるんだ? 俺は、お前のお父さんだぞ……」 萌の父親は、そう言うと涙を流した。 「ありがとう」 その様子を萌の息子である瓜と娘である桃が心配そうに萌を見つめていた。 萌は瓜の目を見て言葉を続けた。 「瓜は強い子だよね? だから、桃の事あんまり苛めたらダメだよ 強い子は弱い子を守らないといけないんだから」 瓜はコクリと頷いた。 「じゃ、指きりだ!」 瓜は震える手で小指をだした。