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09
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その商品には、値段が書かれては居なかった。 

一流の商品には、値段が書かれていないと言う… 
深雪スペシャル 

それは、正しくそれに等しかった。 

目の前に出て来たもの… 
それは、チャーハンだった。 

「…………これは?」 

「チャーハン♪」 

深雪が、満面な笑みで答えた。 

すると、おばちゃんが現れて教えてくれた。 

「『深雪スペシャル』は、前回深雪ちゃんが食べたモノなんだよ」 

俺は、心の中でがっかりした。 

「ごちそうさま」 

深雪は、もう自分の分を完食したらしい。 

俺も、待たせたら悪いとも思い急いで食べた。 

「慌てなくて良いからね… 
ゆっくり食べて」 

そう言いながら、深雪はじっと俺の食べる様子を見つめていた。 

休みの日には、一緒に遊び。 
仕事でも、ほぼいつも一緒に過ごしていた。 

俺が未来から来た事すら、忘れた頃。 

俺が、指輪を買った日がやって来た。 

ジュエリーショップの店員が俺に話しかけて来た。 

「プレゼントですか…?」 

「…はい」 

店員は、ニッコリ笑いながら、色々質問をしてきた。 

「歳は幾つくらい? 
指の太さは? 
お仕事は? 
肌の色は? 
誕生日は?」 

この質問は、今も鮮明に覚えている。 

俺は、一呼吸入れて質問に答えた… 

「婚約者指輪なのですが…」 

…………… 
………… 
…… 
… 

指輪は、買えた。 
ただいつ、プロポーズするか… 

あの時と同じタイミングだと、深雪は死んでしまう… 

ふと俺は、『タイムマシン』と言う映画を思い出してしまった… 

その映画では、亡くなって恋人を助ける為に、色んな方法を試すものの、
結局その恋人は死んでしまう…と言ったモノだった… 

どうすれば、救えるのだろう… 
俺が悩んでいると、携帯に深雪から電話が掛かってきた。 

「もしもし…?伸二?」 
「あ、どうした…?」 

「あれ?元気ない?」 

「いや、大丈夫…」 

電話の向こうで、俺の気をつかってくれる声が聞こえる… 
とても心配そうな声だった。 

「まぁ、いいや… 
明日って、伸二も休みだったよね?」 

「ああ…」 

「水族館にいかない?? 
加藤のおじさんにタダ券を貰ったんだ♪」 

「それは、楽しみだな…」 

「なんか、あった?」 

「いや、大丈夫だけど?」 

「ふ〜ん。 
じゃ、今から、ティンカーベルに来れる?」 

「わかった、すぐに向かうよ」 

「じゃね〜♪」 

と、電話が切れた。 

ティンカーベルと言うのは、駅の近くにある喫茶店で、深雪のマンションの下に
ある為、よく深雪との待ち合わせに利用している。


if 〜 未来で生きた君へ・・・

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