彼女の体は、思った以上に冷たくなり… そして、硬かった… 綺麗な、その体は温め直せば、 「も〜!信じられな〜い!」 と、膨れた顔で怒鳴り散らして来そうだった… だけど、もう動かない… 何故ならもう… 彼女は死んでいるのだから… 彼女は、友人に見送られる中、葬儀が行われる中… 俺は、彼女との思い出が走馬燈のように回り巡った… それは、深雪の父親も同じだったらしく… 葬儀が、終わってから、深雪との思い出を話し合った… いつまで、おねしょをしていただとか… 告白された。 チョコを作った… 一人暮らしを始めると言った時、寂しかったとか… 俺の知らない、深雪の一面を沢山知った… 俺は、気付いた時… 俺は眠ってしまっていた… それから、一週間… 俺は、仕事を休み、ずっと家で眠っていた。 職場では、深雪が死んだ事がまるで嘘のように、仕事に励んだ… それから二年が過ぎた頃… 一人の少女が、研究室にやってきた。 「あの… 私、春雨 銘と言います! まだ、解らない事が沢山あると思いますが、よろしくおねがいします!」 何処かで見た事があると感じた… それは、向こうも同じらしく… 「あ、あなたは、あの時の命の恩人さん!」 銘が、そう言った時、俺の頭に、あの事件の記憶が過ぎった… 「あぁ… あのポニーテールの…」 髪は、切ったのか、現在は、ショートカットだった。 命は繋がっていた… なぜだか、その時、俺はそう感じた… それからと言うもの、彼女は俺に懐き、ことある事に、俺にちょっかいを出して来た… やがて、俺の中で、深雪の存在が消えかけた、あの事件から四年後… 俺は、銘と結婚した… 皮肉にも… あの事件のあった場所で、プロポーズされて… それから、間もなくして子供が出来た… 名前は、ユウタ。 悠久の悠に夕日の夕で、[悠夕] 子供ができると時間が経つのが早いのか… 悠夕は、小学生になった… 丁度、その頃、世の中に[タイムマシン]が出来た… 俺は、ふと深雪がこれで救う事が出来るのではないかと… しかし、金額は400億… とても、買える金額じゃなかった… 研究員の仲間の誰かが言った。 「若返りの薬でも開発したら、俺らでも、特許で買えるかもな…」 最初は、俺も冗談で作ると、張り切った… そして、いつの間にか… 本気で打ち込んでいた… 深雪を救いたい。 もう、一度深雪の笑顔を見て見たい… ただ… その心、一心で…