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01
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待ち合わせの時間になっても、深雪は来ない… 

いつもの事だ… 

出会ったのは、幼稚園の頃… 
付き合いだしたのは、大学に入ってから… 

付き合いだしてから… 
気付いた。 

深雪は遅刻魔だと… 

だから、大抵は予定の時間よりかは、早めに時間を伝えるようにしている… 

「ごめ〜ん。 
 待った?」 

その呑気で悪いともヒト欠片も感じてない声で、背後から声を掛ける女性の声… 

振り向くと、そこには寝癖のままの深雪が居た… 
もう… 
24だろ…? 

心の中で、呟いた…。 

「ああ… 
小一時間程、待ったよ…」 

「えぇ〜そんなにも〜? 
合鍵渡してあるんだから、起しに来てくれたらよかったのに〜」 

と、深雪は、顔を膨らませた… 

「……待ち合わせじゃないと、デートじゃないって、深雪、言ってなかった?」 

すると、罰が悪そうな顔をして、照れくさそうにこう言った… 

「しゅ…主役は、遅れて来るもんなのよ…」 

「……じゃ、俺は脇役?」 

「さぁ…付き人Aよ! 
姫を、水族館まで案内せい!」 

と、スタスタ歩いて行った。 

「はい、はい。 
おうせのままにお姫様…」 

すると、無邪気な顔で、俺の腕にまとわりついて来た。 

いつも以上に、ニコニコと笑っていた。 

「なんか、今日はご機嫌だな?」 

「だって、伸二… 
最近、全然構ってくれなかったから…」 

「そ、そうか…?」 

「そりゃ… 
お薬の開発は大切だけどさ… 
私の事も、大切にして欲しいな…」 

「…ごめん。 
でも、俺は薬は愛してないけど… 
深雪の事は…」 

俺が、そう言いかけた時、深雪は俺の口に飴玉を放り込んだ。 

「そう言う事は、デートの最後に言って欲しいな〜♪」 

と、明るい口調で言った。 

「って言うか… 
深雪だって、仕事で休みが中々とれないんじゃないか…」 

「ふ…私は、薬を愛しているもの…」 

と、また悪戯ぽっく笑った。 

チケットを受付で渡して中に入ると、ヒンヤリとした空気が妙に心地よかった。 

もう、夏なんだよな… 

変な話だが、今になって、そう感じて… 
ひんやり感じた空気が寒く感じた時… 
彼女の肌が暖かく感じた。 

そして、俺は、彼女に引かれるままその日を過ごした…。 

…………… 
………… 
……… 
…… 
… 

「ねぇ… 
私の事、好き?」 

ラブホテルのベットの上で、彼女が俺に囁いた。 
「ああ…」 

俺は、そう言うと、彼女の肩を抱き締め体を引き寄せた… 

「どれくらい好き??」 
俺は、「そうだな…」 

と言いつつ、ベットから降りると、おもむろに鞄から、指輪のケースを取り出した。 

「今すぐに… 
とは言えない… 
だけど、三年後の今日。 
それまでに、この愛が続くなら… 
君の幸せをこの指輪に誓います…」 

俺は、指輪を彼女に差し出すと… 
彼女は、少し切なそうに答えた。 

「今は、受け取れないよ…」 

「え…?」 

俺が、きょとんとしていると… 

彼女は顔を膨らませた。 
「ラブホで、プロポーズとか、ヤダよ…」 

「いや、プロポーズじゃなくて、婚約と言うか… 
なんて言うか…」 

「一緒の事よ… 
だからね… 
来週…」 

「来週?? 
ああ… 
俺が告白して、付き合い始めたあの日か…」 

「うん。 
あの日、あの場所であの時間にもう一度、言って欲しいな…」 

「わかった… 
だけど、お前、起きれるのか…?」 

「起きれるわよ! 
良い?会ってすぐよ? 
でないと、緊張しぱなっしで死んじゃうんだから!」 

「わ、わかったよ…」 

深雪は、シーツを上にあげ、俺の入るスペースを開けると… 

「ねぇ… 
もう、一回…」 

と、色っぽい声で俺を誘った…。





if 〜 未来で生きた君へ・・・

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